消化器内科

後期研修 診療科別研修プログラム

1.診療科の特徴

 消化器内科が扱う臓器には胃・大腸などの消化管と、肝臓・胆嚢などの実質臓器に別れており診療においても専門性が異なることから当施設では消化器内科(消化管)と消化器内科(肝胆膵)に別れている。さらに当施設ではこれら2つの消化器内科と消化器外科とで消化器病センターを構成しており、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会などの指導施設となっています。

消化器内科(消化管)

 消化管全般に対する診療を行っていますが、特に大腸に関する専門性が高く、全国的にも高評価を得ています。その関係もあり部長の下に志を持って全国から集まった活気のある中堅、若手医師が在籍し、最新内視鏡機器(2013年1月更新)を駆使してチームワークも良く診療活動に励んでいます。

 さらに内視鏡画像カンファレンス、臨床画像と病理組織の精度の高い対比、消化管病理医を招いた定期的な症例検討会を通じてスペシャリストを培う土壌があるのも特徴です。また他施設共同研究による遺伝子学的研究、内視鏡および関連機器の開発・評価、CTコロノグラフィー(バーチャル内視鏡)など先進的研究も行っています。したがって日常診療は勿論ですが、臨床研究や国内外の学会・研究会活動も盛んに行っています。

消化器内科(肝胆膵)

 対象疾患は肝胆膵疾患を扱っており、検査・治療は内視鏡(上部、ERCP系)、超音波(腹部、その他)を駆使するものが多い。2013年よりコンベックス型超音波内視鏡が導入され、EUS-FNAやドレナージ治療なども開始している。また、特殊外来として漢方外来、緩和ケア内科外来、IBD外来もある。一緒に学びながら、互いに成長することをモットーとしている。

2.診療実績

診療実績(平成24年度)

  1. 外来患者数
    • 新患数3,943人
    • 一日平均来院数123.0 人
  2. 入院患者数
    • 延べ数 34,191人
    • 一日平均患者数93.7 人、平均在院日数12.4 日
  3. 上部消化管内視鏡検査
    • GIS 11,580 件
    • EUS(上部) 20 件
    • EUS(下部) 2件
    • 内視鏡的治療(内視鏡切除)211件
    • 内視鏡的治療(PEG)44件
    • ERCP,EST
  4. 下部消化管内視鏡検査
    • CF 4,580 件
    • 内視鏡治療 462件

3.研修期間

 現行では基盤学会である日本内科学会認定医を取得しなければ、日本消化器病学会、日本消化器内視鏡学会等のサブスペシャリティーの認定資格を目指すことができないのが現状である。また認定資格を得るためには各学会に入会後5年以上指導施設(複数でも可)に在籍し、学会セミナー参加、診療実績報告、学会・論文発表などが必要である。以上の背景より後期研修医としては2年~3年が妥当と考えるが、個人の希望に合わせたいと考えている。また消化器内科(消化管)と消化器内科(肝胆膵)をローテーションしたり、どちらか一方での研修でも可である。

4.研修目標

  1. 一般目標
    • 消化器疾患を通じて診療の基本的対応および技術の習得、さらに診療における思考過程や応用力・発展的発想を培うことで専門医としての資質を備えることを目標とする。
  2. 行動目標
    1. 消化器疾患診療に関わる各種検査の技術習得。
    2. 診察および検査により得られた情報の整理と理解、さらなる展開力、結論力の養成、標準化。
    3. 各学会、研究会における症例報告、臨床研究発表
    4. 論文発表

5.取得可能な認定医、専門医

 内科学会認定医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医 超音波専門医(希望時)、肝臓専門医(希望時)

6.後期研修後の進路

 常勤医(スタッフ)への昇格。学位取得を希望する場合は岩手医科大学、札幌医科大学などへ紹介します。また、希望があれば全国の消化器関連教育施設へ紹介します。