麻酔科

後期研修 診療科別研修プログラム

1.診療科の特徴

 当麻酔科では手術室における麻酔、全身管理を行っている。近年、高齢者や各種の合併症を有する症例の増加し、リスクの増加する傾向にある。全身麻酔、硬膜外麻酔・脊椎麻酔などの局所麻酔を適切に選択、組み合わせることで、よりストレスの少ない安全な全身管理・麻酔を目指している。

2.診療実績

 (平成24年度)

 全身麻酔1,867件(そのうち、臨時全身麻酔は199件)

3.研修期間

3年間

  1. 1年目
     気管挿管、中心静脈カテーテル挿入をはじめとした臨床麻酔を行ううえでの基本的手技に習熟する。麻酔に使用する薬物の使用法を理解する。手術中に遭遇する生体反応への対処法を学ぶ。後半の6ヶ月は、PS2までの患者の麻酔維持を1人で行えるようにする。指導医と緊急手術の麻酔を行う。
  2. 2年目
     患者に適した麻酔法の選択ができるようにする。脊椎麻酔・硬膜外麻酔を習熟する。突然の血圧低下や心停止など、緊急事態に対応できるようにする。
  3. 3年目
     心臓外科手術の麻酔、緊急手術の麻酔などハイリスク患者の麻酔を担当する。麻酔科研修中の初期研修医の指導を行う。緊急手術の麻酔をひとりで担当する。

4.研修目標

  1. 一般目標
     麻酔科医として必要とされる知識・診療技術を身につける。患者の病態生理を理解し適切な治療を行うことができる思考能力を育成する。
  2. 行動目標
     手術患者の病態生理を理解し、適切な麻酔法を選択でき麻酔管理の方針を立案できる。1人で麻酔維持を行うことができる。患者の病態生理が理解でき、基本的な呼吸・循環・代謝管理ができる。救急蘇生の際に、適切なCPR(ガイドラインに沿ったCPR,気道確保、静脈路の確保、薬物投与、除細動を含む)を行うことができる。麻酔科研修中の初期研修医の指導ができる。

5.取得可能な認定医、専門医

 麻酔科標榜医 麻酔科認定医(後期研修中に取得可能) 麻酔科専門医の申請には麻酔科認定医取得後2年の麻酔科専従と所定の学会発表などが必要となります。麻酔科専門医取得後さらに5年間、麻酔科関連診療を継続して行い、研修施設で初期・後期研修医および麻酔科認定医の指導をおこなうことにより、麻酔科指導医の資格が取得できる。

6.後期研修後の進路

 希望があれば、スタッフ(常勤医)として当院で継続勤務ができ、専門医取得まで、責任を持って指導をします。また、希望する大学や関連病院に推薦及び紹介をすることも出来ます。大学院へ進むこともでき、当該教室に紹介することもできますが、この場合は入学試験があります。