脳神経外科

後期研修 診療科別研修プログラム

1.診療科の特徴

 従来は当院独自の後期研修プログラムを設定していたが、平成23年4月から施行された「脳神経外科専門医制度改革」に則り、新潟大学 脳神経外科を基幹施設とする研修プログラム(病院群)の中の研修施設として、後期研修を行うこととなった。同プログラムには多くの施設が含まれており、施設毎の特性による研修内容の偏りを避けるために、一施設で長期間研修を行わず、新潟大学をはじめとする複数の施設をrotateして研修を行うこととなる。

 当院は、救命救急センター・MFICU(周産期)・NICU(新生児)を併設しており、急性期総合病院の脳神経外科として、外傷・脳血管障害・腫瘍(原発 転移性)・先天疾患と、市中病院としては幅広い疾患群を経験することが出来る。3名の指導医は、脳神経外科専門医資格以外に、脳外科関連のsubspecialityとして、脳卒中専門医(3名)・リハビリテーション専門医(1名)・脳神経血管内治療専門医(1名)の資格を有しており、それぞれの専門性を生かした指導ができる。

 脳神経外科専門施設ではないからこそ、全身疾患への理解を踏まえた、脳神経外科専門医への修練が可能な施設と自負している。

2.診療実績

  • 年間新入院患者数 230~250名
  • 年間新患数 700~800人

 

手術件数(平成24年度)

  • 脳腫瘍摘出 10件
  • 脳動脈瘤クリッピング 15件
  • 脳出血開頭 3件
  • STAMCA吻合術 1件
  • 頸動脈血栓内膜除去術 2件
  • 急性硬膜外血腫 3件
  • 急性硬膜下血腫 2件
  • 外傷性脳内血腫 1件
  • 慢性硬膜下血腫 20件
  • 減圧開頭術 2件
  • 頭蓋形成術 3件
  • 脳室ドレナージ 8件
  • 年間脳血管撮影数 50~60件(脳血管内治療を含む)

3.研修期間

 4年間

 脳神経外科専門医は、卒後3年目からの4年間で必要症例を経験し、受験資格を得て、7年目以降に受験することになります。脳卒中専門医は、脳神経外科専門医取得後に受験可能(学会発表・論文も必要)です。脳血管内治療専門医は、脳神経外科として5年以上の訓練を受けて、脳血管撮影経験数・指導医の下での血管内治療経験症例数を満たした上で、受験資格を得るため、専門施設での研修が必要となります。

4.研修目標

  1. 一般目標
    • 脳神経外科専門医として必要な幅広い基礎知識と技術を身につけ、脳神経外科医療を通じて公共の福祉に貢献し、脳神経外科学の進歩発達に寄与できる医師を目指す
  2. 行動目標
    1. 脳血管障害・外傷・腫瘍等の脳神経外科急性期疾患の初期診断能力(神経学的診断・全身リスク評価・放射線学的評価)を習得する
    2. 脳血管撮影を適切・安全に施行し、結果を診断する能力を習得する。
    3. 急性期を乗り切るための、循環・呼吸・栄養・水電解質・血液凝固・感染・体温・脳圧等の全身・頭蓋内の管理技術を習得する。
    4. 適切な治療方針を決定する考え方を習得する。
    5. 適切にリハビリテーションを依頼して、患者の障害によるハンディキャップを軽減させるため の能力を習得する。

5.取得可能な認定医、専門医

日本脳神経外科学会 脳神経外科専門医 日本脳卒中学会
脳卒中専門医(脳神経外科専門医取得後)
日本脳神経血管内治療学会 脳神経血管内治療専門医(脳神経外科専門医取得後)

6.後期研修後の進路

 専門医取得は、独り立ちできる脳外科医の第一歩です。専門医取得後、各人の希望に応じて、脳神経外科のより専門的な研修や、一般脳外科診療の修練などの進路があります。