小児科・新生児科

後期研修 診療科別研修プログラム

1.診療科の特徴

 小児科の診療体制は、一般小児科と新生児科(NICU)の2部門からなります。一般小児科は紹介型外来、救急外来、急性期疾患を中心とした入院診療を行っています。専門外来としては神経・発達外来、腎疾患外来、心臓外来、予防接種外来、乳児健診外来、カウンセリング外来を定期開設し、研修医が十分な経験を積める内容となっています。新生児部門はNICU 9床、GCU 27床で、超未熟児を始め種々の新生児疾患の急性期診療、さらに外来で発育・発達状況の経過観察を行っています。

 一般小児科と新生児科はそれぞれ独立した診療科ですが、外来診療をはじめとして密に連携を取りながら小児医療の充実に努めています。

2.診療実績

  1. 一般小児科
    • 新入院患者数459名
    • 外来患者数12277名(・一般8529名・神経発達639 ・心臓412 ・腎臓88 ・乳児健診1244 ・予防接種1365)
  2. 新生児科
    • 新入院患者数 397名(・母体搬送54件 ・多胎31組 ・早産/低体重児198名(1000g未満21名 ・28週未満17名) ・人工換気施行84名 ・死亡例0名)

3.研修期間

 3年間を基本とします

4.研修目標

  1. 一般目標
    •  小児の大きな特徴である成長発達を正しく理解し、年齢・疾患に応じた病態の理解、臨床的知識、診療能力及び手技を身につけた小児科医の育成を目標とします。臨床の第一線で活躍する小児科医は基本的に”general physician”としての能力を求められます。また昨今では小児医療の対象が胎児期から思春期さらには成人期に及ぶ幅広い年齢層に拡大されています。以上をふまえて、患者及び家族の社会的心理的背景を十分理解しうる見識豊かな小児科医を育成するために、一致団結して研鑽を重ねたいと考えています。3年間の研修終了後間もなくの小児科学会認定専門医取得を目指します。
  2. 行動目標
    1. 1年目:主に一般小児科診療に従事し、以下の研修が行われます。
      1. 病棟・外来診療の場で、common diseaseを中心とした小児疾患各種の病態、診断、治療を学ぶ。
      2. PALS講習会参加、救急当直を通じて、小児救命救急医療の知識・技能を獲得する。
      3. 指導医のもとで乳幼児健診・予防接種を行い、小児の発達、小児保健について学ぶ。
      4. 小児心身症について研修を行う。
      5. 地域レベルでの研究会や学会において、症例報告等の発表を行う。
    2. 2年目:一般小児科診療あるいは新生児科に従事し、以下の研修が行われます。
      1. 本院及び関連・研修施設において、主治医として入院診療にあたる。
      2. 病棟診療・救急当直の場で、初期研修医の指導に当たる。
      3. 新生児疾患の病態、診断、治療を学ぶ。
      4. 未熟児に関わる疾患の病態、診断、治療を学ぶ。
      5. 臨床研究について、関連・研修支援施設を含めて指導を受ける。
      6. 地域レベルでの研究会や学会において、症例報告・臨床研究等の発表を行う。
    3. 3年目(卒後5年目):以下のことを中心に研修が行われます。
      1. 1年目、2年目の研修内容をさらに深め、責任の伴う立場で診療を行う。
      2. 本院及び関連・研修施設での研修を通じ、サブスペシャリティー分野の確立を目指す。
      3. 関連および研修支援施設を含めて指導を受け、臨床研究を発展させる。
      4. 全国レベルでの研究会や学会において、臨床研究等の発表を行う。

5.取得可能な認定医、専門医

 日本小児科学会小児科専門医 日本周産期・新生児医学会専門医

6.後期研修後の進路

 終了後は各自の希望に応じ、大学病院、小児病院、地域中核病院などに勤務し、それぞれのサブスペシャリティーの確立、よき指導者となることを目標に研鑚を重ねることになります

7.その他

 関連施設以外での研修・研究についても希望があれば申し出てください。