地域医療 礼文島研修を終えて

 2020年4月から1ヶ月間、日本最北端の島、礼文島に地域研修に伺いました。基本的な外来診療、基本的な外科処置、訪問診療、学校検診など多岐にわたった、島民の健康を守る仕事の一部を経験させていただきました。さらに今回は、腹部手術の麻酔も担当させていただきました。
 思い描いていた地域医療、総合診療とはすこしちがって、迅速に撮影できるCT・MRIをはじめとした必要な医療機器が揃っており、最新のガイドラインに準じた医療を礼文島で体験できたことが印象的でした。とはいえ限られた医療資源のなかで自分の五感をフルにはたらかせて診察し、本当に必要なものだけを絞り込んでいく作業は大変興味深く、鍛錬のいる技だと感じました。
 島民のみなさんの“かかりつけ医”として本当の意味で寄り添った医療に、医療の原点を感じました。30年以上もの間、24時間365日、頭も体もフルに回転させて働く所長先生のお姿をみて、自分を省みました。医者になりたいと思った時の気持ちに忠実に、今後の研修に励もうと改めて思いました。
 2年目が始まったばかりのひよっこではありますが、この時期に礼文島の医療に触れて勉強させていただけたことは確実に医者人生の分岐点となりました。将来自分が一人前となったら、何らかの形で、礼文島の医療に関われることができたらと夢見ております。一ヶ月、本当にお世話になりました。

(栗原 茉莉子 記)


フェリーから見た利尻富士
 

 

 

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