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ロボティックアーム手術支援システム「Mako」
人工関節センター長より
2022年4月から当院で行われる人工股関節置換術、人工膝関節置換術にStryker社製のロボティックアーム手術支援システムMakoが導入されることになりました。
現在全国で約40施設、東北では福島で2施設、当院と同時期に岩手で1施設、秋田県では初めての導入となります(2022年4月現在)。
人工股関節の合併症として脱臼と長期的なゆるみの問題があります。
これらの合併症については複合的な要因はありますが、理想的な設置角度、位置というものがあり、手術する側は理想的な計画通りの設置を目指して日々鍛錬してきました。しかし、人の手、人の感覚で行われる手術の精度には限界があり、完璧に理想通りの手術を遂行することは困難です。いくら経験を積んでも人の手を使う限り理想に比べて5°、5mm程度の誤差は生じるものです。その誤差が脱臼や長期成績に影響することがあります。
そこで今回導入されるMakoによる手術ではコンピューター制御で人の手に勝る1°、1mm範囲の精度で人工関節を設置することが可能になります。
具体的に人工関節を入れるまでの皮膚を切ったり、骨まで達する過程は人の手で行われ、人工関節を入れる時にコンピューター制御されたロボティックアームが介入してきます。患者さん自身としてはロボティックアームが介入したことの実感はないはずです。
近年一部で普及している手術ナビゲーションシステムは至適位置への設置を誘導するものであり、あくまでも人の手を介する手術となります。今回導入されるシステムはほぼ完全なロボティックアーム制御での手術で、意図的にずらそうとしても安全装置が働いて制御がかかってしまいます。このシステムの精度はナビゲーション手術に比べ勝っているという結果も報告されております。現時点で利用できうる手術機器で、このシステムの手術精度は最も優れていると考えています。
個人的にはこれまで800件以上もの人工股関節置換術を行ってきました。その臨床成績は決して悪いものではないと自負しておりますが、そのすべてが理想通りだったか?と問われると、胸を張って答えることはできません。それを担保できるのがこの機械だと考えています。
この機械を扱うためには特別な研修を受け、ライセンスを得る必要があり、我々も高度な医療を提供するため、日々研鑽を重ねて参りました。患者さんに安心して、よりよい手術を受けてもらうために選択したのがこのMakoの導入です。
このシステムは人工膝関節置換術にも応用可能で、膝関節専門の冨手の主導で、膝関節についてもより正確な手術を提供して参ります。
より高度な手術技術を提供することができるようになっても、我々が一番大事にしていることは医師と患者さんの信頼関係で、安心して手術を受けていただけるような環境を整えることを重視しています。
Makoシステムの紹介動画
ロボティックアーム手術支援システム(Makoシステム)を分かりやすく紹介しています。ぜひご覧ください。
- 人工膝関節置換術
- 人工股関節置換術
Makoシステムを用いた手術をご希望の方へ
秋田赤十字病院 整形外科を受診して、Makoシステムでの手術を希望していることをお伝えください(すべての人工関節置換術をMakoで行えるとは限りません)。はじめて当院にかかられる方は、受付の際にお申し出ください。 外来のご予約については、下記の連絡先までお問い合わせください。
秋田赤十字病院 整形外科
TEL:018-829-5000
担当医の紹介
役職名等 | 氏名 | 資格等 |
---|---|---|
第一整形外科部長(兼)人工関節センター長 | 田澤 浩 | 日本専門医機構認定整形外科専門医 日本整形外科学会整形外科専門医 日本人工関節学会認定医 |
第一整形外科副部長(兼)人工関節副センター長 | 冨手 貴教 | 日本整形外科学会整形外科専門医 日本人工関節学会認定医 臨床研修指導医 医学博士 |
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