呼吸器内科
診療科紹介
概要
新型コロナウイルス感染症の病状からもわかるように、呼吸器疾患は生命に直接結びつくことが多い重要な領域です。しかし、秋田県は呼吸器内科の専門医師が少なく、呼吸器疾患の充分な診療を受けられない可能性も危惧される状況です。当科では、秋田市内のみならず県内の各医療施設と連携を保ちながら、呼吸器疾患の専門的医療を適切かつ良心的に実践することを目指しています。
呼吸器内科は肺や気管支の疾患を担当しています。呼吸器疾患は幅広い年齢にわたってかかる可能性がありますが、特に近年は高齢の方の肺炎や肺癌が多い傾向が続いています。
対象となる病気は、肺炎・気管支炎などの急性炎症性疾患、慢性気管支炎・気管支拡張症・非結核性抗酸菌症などの慢性炎症性疾患、喘息、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺癌を主とする腫瘍性疾患、間質性肺炎・肺線維症・膠原病肺・過敏性肺炎・好酸球性肺炎などのびまん性肺疾患や器質化肺炎などの特殊な肺炎、塵肺などの職業性肺疾患、睡眠時無呼吸症候群や種々の原因による慢性呼吸不全など、多岐にわたっています。
呼吸器疾患の主な症状は、咳、痰、血痰、息切れ、呼吸困難、喘鳴、胸痛や背部痛、発熱、疲労感などです。一方で、明らかな症状がなく画像や呼吸機能などの検査で異常を指摘されることもあります。また、これらの症状をきたす場合は、循環器内科、耳鼻咽喉科、消化器内科、呼吸器外科、整形外科などの領域の疾患の可能性もあり、総合病院の利点を生かし各科と連携して日々の診療を行っています。
外来診療
外来での対象疾患は、感染症、喘息、COPD、腫瘍などが多く、急性期には症状に応じて処置室での吸入や点滴などの治療を行ないます。慢性疾患の治療や経過観察は、定期的な検査と病状の評価、計画された入院治療を繰り返す間の診療などを適宜行ないます。また、胸部X線検(健)診後の精密検査も重要な業務です。いずれもかかりつけ医から紹介を受けたり、当方から逆紹介をお願いしたりしながら、地域の医療機関と綿密に連携しています。
当科の新患の受付は原則として全て予約制です。お急ぎの場合は、かかりつけ医からの紹介状を持参していただくか、病状によっては総合診療科や救命救急センター外来での対応も可能です。
入院診療
入院は、急性疾患の中等症以上、慢性疾患の急性悪化、計画された治療や特殊な検査などが主な対象で、高齢の方の肺炎や、腫瘍の内科的治療などが多くなっています。当院の役割として急性期の対応が主であるため、経過の長い病状の場合は地域の各病院、診療所、施設などと連携しながら、退院までの計画を立てています。たとえば、肺炎の急性期回復後に自宅への退院が困難な方については、病状が安定した時点で療養型病院への転院あるいは施設への復帰や入所などを相談させていただきます。
高齢化に伴い増えている呼吸器疾患の診療を限られた人数の呼吸器内科専門医師が担うために、診断、治療、経過観察の全てを単独の病院で完結させるよりは、地域の医療や介護の各施設とそれぞれの役割を分担することが現実的な解決法であると考えています。
担当医の紹介
役職名等 | 氏名 | 資格等 |
---|---|---|
呼吸器内科部長 | 小髙 英達 | 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医 日本呼吸器学会呼吸器専門医・指導医 日本化学療法学会抗菌化学療法認定医・指導医 日本結核・非結核性抗酸菌症学会結核・抗酸菌症認定医・指導医 日本アレルギー学会専門医(内科) がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了 |
医師 | 滝田 友里 | 臨床研修指導医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了 |
医師 | 髙橋 大地 |
外来診察表はこちらをクリックしてください
別表のように、呼吸器内科を担当する医師は、日本内科学会、日本呼吸器学会、日本アレルギー学会、日本化学療法学会、日本結核病学会などに所属して、認定医や専門医、指導医の資格を有し、複数の学会の教育施設の認定も受けています。それに伴って、当院は臨床研修医の教育施設として、若手医師の育成のために重要な役割を担っています。呼吸器内科でも、初期研修医が一〜二か月交替で日常診療に参加しています。
呼吸器内科は皆様の日常の健康維持に寄与できるよう、診療向上の努力を続けています。
- 診療科の紹介 34
- 医師名簿
- 手足の痙縮外来(ボツリヌス療法外来)
- 妊娠と薬外来
- 予防接種センター
- 遺伝診療センター
- 部門の紹介 9