整形外科 人工関節センター

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診療科紹介

特徴・特色

 整形外科は、四肢・脊椎脊髄・骨盤などの筋骨格神経系、いわゆる運動器の疾患を診療します。当院は救命救急センターを併設し、またドクターヘリの基地病院となっているため、整形外科でも急性期の医療、重症で手術を要する方の治療を中心に行わせていただいています。専門性の高い治療、大きな手術が必要な治療の場合も対応できる体制を整え、診療することを使命としております。

 なかでも脊椎外科、関節外科、手の外科・マイクロサージャリー、外傷治療を主力として診療を行っています。脊椎脊髄手術は脊椎脊髄損傷に対する脊椎再建手術とともに、長年にわたり内視鏡下手術・低侵襲手術を行っております。また人工関節はセンター化し専門に手術治療を行っております。

脊椎脊髄手術

  • 2000年から行っている内視鏡下脊椎手術
  • 脊椎脊髄病指導医2名
  • 大きな脊椎外科手術が行える体制下での内視鏡・低侵襲手術

内視鏡下脊椎手術

 1997年に世界で初めて内視鏡視下椎間板ヘルニア摘出術が報告されました。当院では、1999年から研修を開始し、翌2000年から内視鏡下脊椎手術を導入しました。現在はビデオシステムの進歩により、より良い視野が得られ、手術の安全性、確実性が高まっています。

骨粗鬆性椎体圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術(Percutaneous vertebroplasty)

 2020年からは骨粗鬆症性椎体圧迫骨折に対して経皮的椎体形成術を開始しています。経皮的、経椎弓根的に骨セメントを椎体内に注入することで、即時除痛効果を得る低侵襲治療法です。

人工関節センター(人工膝関節置換、人工股関節置換、人工肩関節置換術)

 関節疾患、特に股関節と膝関節は、進行すると歩行困難となり患者さんの日常生活動作、生活の質を低下させます。人工関節置換術はその最終治療手段であり、除痛効果、機能改善効果は絶大で、再び歩くことができるようになることによって第二の人生を歩めるようになると言っても過言ではありません。 2018年からは変形性肩関節症や広範囲腱板断裂に対しては、ライセンスを認可された医師のみが行える反転型人工肩関節全置換術も行っています。

 人工関節は人生を一変させる魅力を持っていますが、まれではあるものの感染、脱臼、ゆるみという重篤な合併症があり、安易に行う手術でもありません。

 2012年に人工関節センターが開設し、10年となりました。初回人工股関節置換術(再置換術を除く)は2021年末まで607例となりました。開設初年は27例でしたが、2021年には95例まで増加しています。途中経過も含め、この10年で行った607例のうち5例の再置換例(0.8%)がありました。骨折が2例、感染が1例、脱臼が1例、ゆるみが1例です。その他再置換を必要としない脱臼が4例ありました(脱臼率0.8%)。

 このように人工関節は手術を行っても長期的な合併症を伴うため、外来での経過観察に力を入れてきました。2012年以降、外来で経過を追えている症例は術後5年で86.9%、2021年の術後9年で65.4%です。加齢や仕事の諸事情で通院が困難になることは承知しておりますが、当院で手術を行った以上、責任を持って経過観察を行っております。

 このような事情で年々外来患者さんは増加し、待ち時間は長く、診察時間は短くなってしまっています。ご迷惑をおかけしますが、協力をお願いいたします。

 人工関節センターの開設から10年を迎えるにあたり、さらなる人工関節の成績向上のため、2022年4月からStryker社製のロボティックアーム手術支援システムMako(詳しくはこちらを導入することになりました。

 当人工関節センターは、患者さんに安心して手術を受けていただけるよう、最善の医療を提供するとともに、長期にわたるアフターケアを行っていくつもりです。

手の外科・マイクロサージャリー

 手の外科では腱断裂に対する腱縫合、末梢神経損傷に対する神経縫合や神経移植、血管損傷に対する血管吻合などを中心に行っています。マイクロサージャリーの技術により手指の切断例に対する再接着術(指をつなげる手術)も行っております。また、開放骨折後の皮膚移植で対応困難な広範な皮膚欠損部位に対しては、広背筋皮弁を用いた皮弁手術で対応しています。

担当医の紹介

役職名等 氏名 資格等
第一整形外科部長 畠山 雄二 日本専門医機構認定整形外科専門医
日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科指導医
日本整形外科学会研修指導者
臨床研修指導医
第二整形外科部長(兼)人工関節センター長 田澤 浩 日本専門医機構認定整形外科専門医
日本整形外科学会整形外科専門医
日本人工関節学会認定医
医療社会事業部長(兼)第一整形外科副部長(兼)リハビリテーション科副部長 湯本 聡 日本専門医機構認定整形外科専門医
日本リウマチ学会リウマチ専門医
日本整形外科学会リウマチ医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本整形外科学会運動器リハビリテーション医
日本整形外科学会スポーツ医
日本リハビリテーション医学会認定臨床医
第一整形外科副部長(兼)人工関節副センター長 冨手 貴教 日本整形外科学会整形外科専門医
日本人工関節学会認定医
臨床研修指導医
第一整形外科副部長(兼)リハビリテーション科副部長 飯田 純平 日本整形外科学会整形外科専門医
日本整形外科学会脊椎脊髄病医
日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・指導医
日本リハビリテーション医学会リハビリテーション科専門医
臨床研修指導医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
医師 長岡 佑樹 がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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