腎臓内科

診療科紹介

 秋田赤十字病院腎臓内科は、秋田県内に4施設ある日本腎臓学会認定研修施設のうちの1施設として、秋田大学医学部血液腎臓膠原病内科、同大学泌尿器科、当院泌尿器科と各診療科、そして各診療施設と連携して、腎疾患に関する診療を行っています。主に腎疾患診療、腎生検等の腎疾患検査、腎不全診療、腎代替療法(主に血液透析、血液濾過透析)、そして急性血液浄化療法を担当しています。

 腎センターは1988年に開設され、現在に至ります。腎代替療法として、主に血液透析、血液濾過透析(主に0n-line HDF)を行っています。腹膜透析の導入の体制も整えてきています。当院は、厚生労働省認可の3次救命救急センター、地域がん診療連携拠点病院であり、ICUやHCUを配備しています。救命救急を要する疾患の症例や手術症例が多いこともあり、腎センターでは急性腎障害や敗血症をはじめとした急性血液浄化療法を要する重症症例において、主に持続的血液濾過透析、緊急血液透析、エンドトキシン吸着療法等を担当しています。また、神経病センターでは神経疾患症例が多いことから血漿交換療法、免疫吸着療法の施行症例数が比較的多く、消化器内科では大腸炎症候群の症例が多いことから顆粒球除去療法の施行症例が多く、肝硬変や癌性腹水の患者さんには病態に応じて随時、腹水濾過濃縮再静注法を施行しています。長期的維持透析管理においては透析シャント血管管理が重要です。シャント血管設置術を当院泌尿器科に担当して頂き、その後のシャント血管管理では、当科にてシャント血管超音波検査、血管造影検査、経皮的カテーテル血管形成術(PTA)等を担当し、PTA施行症例は多いです。

  • 日本腎臓学会認定研修施設(兼 日本内科学会認定研修施設)
  • 日本透析医学会認定医制度教育関連施設
  • 日本急性血液浄化学会認定施設
  • 常勤医3名(日本腎臓学会認定腎臓専門医、同学会認定指導医、日本内科学会認定内科医、同学会認定総合内科専門医、同学会認定内科指導医、日本透析医学会透析専門医、日本急性血液浄化学会認定指導者)
  • 腎センター看護師10名(うち透析技術認定士1名)
  • 臨床工学技士15名(うち透析技術認定士5名)
     

 

特色

 腎疾患の患者数が多く、腎臓病初期から末期腎不全まで、そして腎代替療法診療を一貫して行うことができます。腎生検症例ではIgA腎症やネフローゼ症候群が多く、IgA腎症では扁桃摘出術+ステロイドパルス療法を施行して長期管理を行っています。腎代替療法ではon-line HDFを積極的に施行し、長期管理として貧血管理やカルシウムリン管理やβ2MGやASOの管理等を厳密に行い、シャント血管管理や治療も積極的に行っています。また、他科と連携して急性腎不全の対応、水電解質異常や酸塩基平衡異常の対応、そして多種の急性血液浄化療法を行っており、多彩な診療を展開しています。

指針

 第一に、患者さんとご家族の心に寄り添い、なるべく同じ目線で考え、そして病態をできるだけ的確にお伝えし、十分にご理解いただいたうえで、私どもができる治療を提供していきたいと存じます。腎臓内科は、慢性腎臓病初期から末期腎不全の治療管理、そして腎代替療法の管理を一貫して担当することから、腎疾患患者さんとは長期間のお付き合いになります。特に腎不全診療の場合は、患者さんご自身の水分管理や栄養管理や薬剤管理が、治療経過において最重要なファクターとなっておりますことから、患者さんと診療スタッフの相互理解と調和を大切にして、診療を頑張っていきたいと存じます。
 また、腎臓内科診療では、長期的な治療経過中に透析シャント不全、心臓疾患、脳神経疾患、悪性腫瘍等の合併症が生じることから、多くの科の先生方に御協力いただいておりまして、相互の尊重と調和をとても大切にしております。

研修施設

 当科では、初期研修医師、秋田大学医学部血液腎臓膠原病内科からの派遣医師、内科専攻医や内科医を目指す医師が研修しており、症例検討、臨床研究、病理診断、抄読会を重要課題としています。学会発表、論文や総説等の雑誌掲載を積極的に行う方針となっています。それらを通して学術的な見識を深めて頂きます。
 腎臓内科専門医や透析専門医だけではなく、内科専門医を目指す皆様にとりまして、当科は症例が多岐にわたっており、腎疾患や血液浄化療法を通して、泌尿器疾患(腎盂腎炎等)、自己免疫性疾患、循環器疾患、神経疾患、消化器疾患、外科系症例(術後や多発外傷後の急性腎不全)等、多くの症例を研修することができます。

診療実績

腎臓内科

  • 外来診療患者延数(2020年度):12879件
  • 外来新患患者数:216症例 (2019年度)、150症例 (2020年度)
  • 新入院患者数(2020年度):139症例
  • 腎生検数(2020年度):18症例、うちIgA腎症11症例
  • IgA腎症における扁桃摘出術+ステロイドパルス療法(2020年度):9症例
  • 血液透析導入数:年間10~20症例程度
  • 腎移植紹介数:年間3~5症例程度を秋田大学医学部泌尿器科に紹介しています。

腎センター

  • 腎代替療法
    ​常時80~85症例(入院臨時透析は常時3~5症例程度)
    血液透析:常時30~35症例程度
    血液濾過透析(On-line-HDF):常時 50症例程度
  • 急性血液浄化療法(2020年度)
    持続的血液濾過透析(CHDF):27症例 
    エンドトキシン吸着療法(DHP-PMX):2症例
    血漿交換療法(PE):3症例 
    免疫吸着療法(PA):3症例
    顆粒球除去療法(GCAP):15症例
    腹水濾過濃縮再静注法(CART):20症例
  • シャント血管管理(2020年度)
    経皮的カテーテル血管形成術:80症例

学術業績(2015年以降)

 学術業績はこちら

担当医の紹介

役職名等 氏名 資格等
腎臓内科部長 畠山 卓 日本内科学会認定内科医
日本腎臓学会腎臓専門医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
腎臓内科副部長 朝倉 受康 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓専門医・指導医
日本透析医学会透析専門医・指導医
臨床研修指導医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了
腎臓内科副部長 佐藤 隆太 日本内科学会認定内科医・総合内科専門医
日本腎臓学会腎臓専門医・指導医
日本透析医学会透析専門医・指導医
日本急性血液浄化学会認定指導者
日本医師会認定産業医
臨床研修指導医
がん診療に携わる医師に対する緩和ケア研修会修了

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